昨日24日は残暑が厳しいなか、暑さが峠を越えるとされる二十四節気の一つ「処暑(しょしょ)」の節目でもありました。そんな日に、月一回の「和らぎ茶の湯」を開催いたしました。
お越しいただいた皆さま6名で、心和らぐ特別な時間を共有できたことに深く感謝申し上げます。今回のテーマは「水」。 以前観に行ったサントリー美術館の「水と生きる」展覧会の図録のお話を少し交えながら、涼やかなお茶の時間をスタートしました。
◇
■ 8月のお軸『聴流心如水』
8月のお軸は「流れを聴けば 心 水のごとし(ながれをきけば こころ みずのごとし)」。 茶の湯の空間に合わせて、僕自身で筆を執ったものです。
禅の言葉である『聴水流(水の流れを聴く)』と『水無心(水に心なし)』を合わせた造語。五感で味わう涼(聴水流) 「聴流」とは、単に目に見える水だけでなく、耳を澄まして水の音を聴くという「五感を使った涼の取り方」です。柄杓から水指に落ちる水の音、釜の湯の煮える音など、耳から涼を感じていただく趣向でした。
如水の心と官兵衛の生き様(心如水)
水は四角い器に入れば四角くなり、丸い器に入れば丸くなります。自分というエゴを捨て、どんな環境にもすっと寄り添う「無心」の境地。今、NHK大河ドラマでは「豊臣兄弟」があっていますが、豊臣秀吉の名参謀であった戦国時代の智将・黒田官兵衛も、晩年は「如水(水の如し)」と名乗りました。水のように柔軟で清々しくあろうとしたその生き方には、今も深く惹かれます。
暑さの中、このお席にいる時間だけでも、水の音に耳を傾け、心の中を水のように清らかで柔らかく過ごしていただけたら……という想いを込めていました。
◇
■ お道具とお花
今回のお軸やお花は少し控えめな佇まいでしたので、あえてお花の上に空間をつくるように軸を配し、全体の雰囲気を整えました。
花入れ: 味のある蓋付きの「古染付(こそめつけ)」の器を取り入れました。
お花: やっと水揚げが叶ったハギ(萩)を1輪。先端のほんのり可憐なピンク色(いわゆるハギ色・萩の煤色)が実に美しく、初秋の訪れを感じさせてくれました。
◇
■ お菓子とお茶(2服の愉しみ)
今回もお茶を2服召し上がっていただきました。
1服目(主菓子): 京都・亀屋則克より取り寄せた主菓子をご用意。銘は「夏しずく」「照葉」「涼水」。どれも美しくお点前を引き立ててくれました。
2服目(ほうじ茶水羊羹): 同じく亀屋則克のほうじ茶味の水羊羹をいただきました。当店で普段皆様にお出ししている「京番茶」の風味と重なる味わいで、どこか懐かしく、控えめな甘さが非常に心に染み渡る美味しさでした。
◇
■ ご参加の皆さまからの温かい声
お席の最後に、皆さまからいただいたご感想です。
・「普段は慌ただしく過ごしていますが、静かに耳を澄まし、皆さんと和やかに過ごす時間がとても心地よかったです」
・「お茶の作法だけでなく、歴史や道具の見立てなど、日常に取り入れられる視点を学べて心が豊かになりました」
・「蝉の声がやみ、ふと秋の風を感じるような、季節の移ろいを実感できる時間でした」
敷居が高く思われがちな茶の湯ですが、日常に少しの「余白」や「癒やし」を取り入れるきっかけになれば幸いです。
◇
【次回のお知らせ】
来月(9月)はお休みをいただき、次回は10月18日(日)夕刻17:00〜を予定しております。
場所: 玉名の古民家にて(※「和の國」ではなく、出張開催となります)
熊本市内から皆さまで移動いたしますので、ご参加をご希望の方は準備の都合上、どうぞお早めにお声かけください。
もちろん、県外のお客様も大歓迎です! 震災後の熊本をご一緒に盛り上げてくださいませんか?
皆さまとまた特別な時間を過ごせることを、心より楽しみにしております。
◇
明日火曜日は定休日です。また水曜日からどうぞよろしくお願いいたします。
