皆さま、こんばんは! 着物923(くにさん)こと、茨木國夫です。
本日、11月7日は二十四節気のひとつ「立冬(りっとう)」を迎えました。 暦のうえでは、いよいよ冬の始まり。朝夕の風にも凛とした冷たさが混じり、季節の歩みを肌で感じる頃となりました。
冬というと「寒くて縮こまってしまう…」と思われがちですが、実は和の暮らしや着物の世界では、温もりや豊かさを楽しむ素晴らしい知恵と風情がぎゅっと詰まった季節でもあります。
そこで今夜は、立冬を迎えるにあたって知っておくと毎日がちょっぴり豊かになる「和の國流・立冬の楽しみどころ」を3つにまとめてお届けいたします!
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1. お茶の「お正月」――炉開き(ろびらき)と新しい茶の香り
立冬前後の風物詩といえば、茶の湯の「炉開き(ろびらき)」です。 春から秋にかけて畳の上に置いていた風炉(ふろ)をしまい、畳を切った「炉」を開いて炭をおこすこの日を、茶の湯では「お茶の正月」と呼んで祝います。 同時に、初夏に摘んで茶壺に封じ込め、ひと夏じっくり寝かせて熟成させた新茶を開封する「口切(くちきり)の茶事」も行われます。
炉から立ち上る湯気の温もり、そして熟成された新茶のまろやかで芳醇な香りは、まさに冬の訪れだけの特別なおごちそう。忙しい日々のなかでも、一杯の温かいお茶を丁寧に淹れて冬の訪れを味わってみてはいかがでしょうか。。。
2. 着物が一番あたたかく心地よい季節へ――「袷(あわせ)」と重ね着の妙
立冬を境に、着物が最も本領を発揮する心地よい季節がやってきます。 表地と裏地を縫い合わせた「袷(あわせ)」の着物は、布と布の間にあたたかな空気の層をやさしく抱き込み、身にまとうだけで体をじんわりと温めてくれます。 さらに、帯をキュッと結ぶことでお腹や腰回りがしっかりと守られ、女性の冷え対策にも着物はまさに理にかなった日本の知恵です。
これから冬本番に向けて、羽織を重ねたり、ショールや道行きコートを羽織ったり。重ね着ならではの色合わせの妙や、季節ならではの温かなお洒落を存分に楽しめる季節の幕開けです。
3. 立冬にいただく「ほとう」――身体を温める食の知恵
東洋のならわしには、立冬の日に旬の栄養豊かなものをいただき、来る冬に備えて体力を蓄える「補冬(ほとう)」という養生の考え方があります。 この「ほとう」という響きで思い出すのが、以前、富士山麓の河口湖を訪れたときにいただいた郷土料理の「ほうとう」です。 平たく大きく切った太麺に、ホクホクの南瓜(かぼちゃ)やたっぷりの根菜類をコトコトと味噌で煮込んだ一杯。湯気を立てるお鍋を囲んでふうふうと頬張ると、冷えた身体が芯からじんわりと温まり、何とも言えない幸福感に包まれたことを今でも懐かしく思い出します。
立冬の「補冬(ほとう)」と、郷土料理の「ほうとう」。 言葉の響きもぴったり重なりますが、何より「旬の根菜やカボチャで力を蓄え、寒さに備える」という先人の知恵は見事なまでに共通しています。
皆さまのご家庭でも、今夜や明日の食卓には、温かいお鍋や南瓜のお味噌汁などを囲んで、美味しく身体を労わってあげてはいかがでしょうか。
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季節の節目を知り、暦の移ろいに寄り添うこと。 それは先人たちが残してくれた、暮らしを愛おしむための優しい道しるべなのだと感じます。
「立冬」の明日からも、寒さに負けず、着物と和の温もりを皆さまと共に分かち合っていけたら幸いです。
季節の変わり目、どうぞ皆さま暖かくしてお過ごしくださいね。
それでは、今夜も感謝を込めて…。
素敵な立冬の夜をお迎えください。
皆さま、ごきげんよう!
