お客様にご満足いただけますように、誠心誠意の対応を心掛けています。

熊本で、高級着物なら和の國へ

きものサロン和の國の茨木ゆりと申します。呉服屋に嫁ぎ33年目を迎えました。
私は山鹿市菊鹿町という田舎の兼業農家で、祖父母・両親・兄の下に生まれ育ちました。引っ込み思案で恥ずかしがり屋、小さい頃はいつも兄に連れられ近所の友達と缶けり・かくれんぼなどをしていました。存在感も無い方で、良くも悪くも目立つことなく過ごしていたように思います。

地元の中学・県立鹿本高校を卒業後、就職は熊本に戻ることを前提に、福岡の中村短期大学に進学。そして約束通り卒業後は、熊本の銀行に就職が決まり、自宅から車通勤のOL生活を2年間過ごしました。
平成元年22歳の時、縁あって呉服屋の主人と結婚しました。何も知らない商売の家庭、ましてや全く縁の無かった着物の世界に足を踏み入れることになりました。


22歳で結婚し、呉服の世界へ

嫁ぎ先は、祖母・両親・主人・主人の弟との同居でした。自宅兼お店でしたので、慣れない家事の合間に店の手伝いをし、仕事・家事・・・全てにおいて今までと全く違う生活が始まりました。和裁を学ぶ中、結婚後1年で息子を授かり、生活の中に育児も加わりました。その翌年には娘も授かり、それは充実の中にもめまぐるしい日々でした。

好奇心旺盛・行動派の主人のおかげで、私もいろいろな経験を重ねていきました。その中でも、大きな経験だったのは、主人の「きもの宣言」でした。一気に着物に触れる機会が増えました。毎日毎日主人は着物姿です。外出着や部屋着、寝間着・・・などを、一日数回着替えます。外出着の中にも、仕事着・お茶会・結婚式などシーンに合わせた着物があります。当然それぞれに四季折々の着物があるのです。仕入れ先さんのオススメの着物を気温や気候に合わせて主人と一緒に試行錯誤で勉強していきました。

また、汗かきの主人です。特に夏は着物の洗濯も毎日で、いかに楽に、上手にお手入れをするか・・・を、日々経験させていただきました。重ねて、主人との外出には自然と私自身も着物姿で出掛けるようになりました。


着付け教室のスタート

かれこれ20年になりますが、「前結び」の着付け教室も開講しました。主人は男性初の講師ということで、「帯結び」の指導からスタートしましたが、さすがに長襦袢の着付けや補正の仕方になると、私にバトンが渡ります。私はそもそも恥ずかしがり屋で、人前に立つこと人前でしゃべることが苦手でした。ましてや講師という立場です。お稽古日にはよく体調を壊していました。

今振り返るとどんな教室だったのかととても恥ずかしくなりますが、母に教えてもらいお客様に学び今に至っています。着付け方にもいろいろな方法があること、マイ寸法(自分の体型に合わせた寸法)の着物だととても着やすいこと、素材の違いや帯それぞれで着やすさ・結びやすさが変わることなど、実際数多く着物を着てみないとわからないことがたくさんあります。


2005年12月、和の國オープン

和の國が熊本市内にオープンすると、お客様との接客も当然多くなりました。それまで一番やりたくなかった接客、苦手な接客が一番必要となったのです。知識的にも、言葉遣い一つにしても、不安ばかりの慌ただしい日々でした。言葉が足りず、お客様に誤解を与えてしまったこともあります。

色々と反省をする中、主人と共に、着物の職先(制作現場)を見学させていただく機会にもたくさん恵まれました。それぞれの工房では、例えば図案制作、色挿し、織り・・・といったそれぞれの立場で、日々ひたすら向き合われている職人さんのお姿に、本当に熱いものを感じ、長くご愛用いただきたいと願い、ますます着物の奥深さを勉強させていただきました。

この経験により、貴重な一枚をお客様にお選びいただくには、もっと着物の良さ・すばらしさを伝えたり、よりお好みに添う品を提案しなければ・・・という思いが強くなりました。


職人さんに学び、私も着物とともに・・・。

熊本市内で、上質、上品、エレガントな着物なら和の國苦手だった着付教室、接客の日々を通し、ひたすらお客様、着物に向き合うことで、多くのことを学ばせて頂きました。お客様から、ご提案した着物や着付けについて「褒められましたよ」、「着やすかったです」、「着心地が本当に楽でした」などとお言葉をいただき、お喜びの声が私の自信となり、何より日々の励みになっております。

私たち夫婦が毎日着物を着ているからこそ分かる、着心地の良さ・着やすさ・お手入れの簡単さ・コーディネートのし易さなど、着る側の立場に立った思いや知恵、経験をこれからもしっかり生かしてまいります。

職人さんに学び、私も着物とともに、着物姿の嬉しさ・楽しさ・心地良さを体感していただけるように努力を重ねてまいります。お客様にご満足いただけますように、誠心誠意の対応を心掛けています。
皆さま、何とぞよろしくお願い申し上げます。

平成27年2月26日
きものサロン和の國 茨木ゆり



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