大島紬と結城紬展初日。私も地機の結城紬(縞文様・褐色)に袖を通しお客様をお迎えする。その縞柄には、秘色(ひそく)、砂色、香色も含まれており、温かみのある色合いは、今の季節にぴったり。まさに晩秋の山あいの配色のようだ。ぼくの頭にミレーの「落穂拾い」が浮かんできた。やはり地機の結城紬は格別の着味。何といっても軽い。それこそ、夜はソリストの方と京都の加納荘五郎社長と一緒に「燕(やん)」に出かけた。着物を脱いだのが、日付が変わる頃。一日着ていても全く疲れず、着崩れも全然しなかった。