寝押しをしていたグレー千筋ウールを着て、先週より始まった「こくごの学校」に出かけた。仕立もとても良いのか、「お気に入り」のブックマークをつけたいほど着ごごち抜群。寒くなったからだが、「普段着は、ウール!」と声を大にして言いたい。さて、今日の本題「こくごの学校」に話を戻そう。ここでは、毎週、短い文章の課題が出される。作者も分からない。素直に読んで考えるだけ。今回の課題は、下記の短い文章だ。
ふつう、心が顔をつくると言ったりするけど、僕に言わせるとウソだ。顔が心をつくる、あるいは顔が心に影響を及ぼす―その方が正しい。子どもの頃から可愛い、可愛いといわれ続けていれば、変にひねくれたりはしないものだよ。
反対に、ブスだ、悪魔の子だといわれ続けてみなさいよ。どうせ自分は悪魔の子なんだ、やっつけちゃえ、とならないとも限らない。そうして総スカンをくったりもする。僕は、心の健康は美しい顔から、と提唱したい。
課題: 上の主張に、理由を添えて、賛成もしくは反対してみましょう。(800字以内。A4判1枚にまとめて)
~上記に対して、私はこう書いた。~
私は、どちらかといえば、賛成派だ。あえてどちらかといえばというのを使ったのも、「心が顔をつくる」というのも分かる気がするからだ。楽しい・嬉しいという心持ちでいれば、自ずと美しい笑顔も出る。
しかしながら、賛成した理由には次のことが挙げられる。「心の健康」を「目に見えないもの」、そして「美しい顔」を「見えるもの」と置き換えることが出来る。目に見えないものは当然の如く分かりにくいが、対して目に見えるものは分かりやすい。
歌舞伎の世界に「型から入る」という言葉がある。型をマスターし続ければ、自ずとその型にそった演技が出来るようになるということだ。心でもそうだ。もし心が病んでいても笑顔でい続けることが出来れば、心まで自然のうちに明るくなる。
ゆえに私は、目に見えるもの。つまり「美しい顔」をしていれば、「心も健康になる」ことに賛成だ。
講義のラスト10分で今日の学びを元に、作文を書く時間がある。テーマに沿ってダッシュで書く。とにかく早く、100m走みたいな感じだ。読み返すと自分でも何を書いたか読めない程。涙も溢れてきた。90分の講義終了後には、下記のような4つの作文が出来上がっていた。
俺も心の健康は美しい顔だと思う。なぜならば、野球のバッターボックスに入った時がそうだ。まず、ピッチャーをにらみつける。顔で相手を威圧する。これは俺のの立場を優位にするためだ。そして「絶対打つ!」と願い信じる。ゆえに、お顔が1番、心が2番だ。
心の健康は、美しい顔だ。なぜならば、仕舞をしていてもそうだ。美しい顔をしていると、メチャメチャ緊張していても、心がバレない。ゆえに、美しい顔をしていると、心までがんばることができる。
心の健康は、美しい顔だ。学校でイヤなことが会ったときでも、家に帰るとイヤな顔はしない。なぜかというと、イヤな顔さみしい顔をしたりすると、母が心配するからだ。だから俺は、どんなことがあってもイヤな顔をしない。
「美しい顔」
俺は強がりで見栄っぱりだ。どんなイヤでもつらくても暗いイメージは与えたくない。母から聞くと、小学校の時、シャツが汚れていたりシワが入ったシャツは絶対着て行かなかったそうだ。そういえば、学校に行くときも何でも一番が好きだった。いや一番でなければイヤだった。
小学校4年生の時の忘れられない思い出がある。マラソン大会だ。丁度その番号札を放課後残って、先生と一緒にマジックで書いていた。そしてその「1」という数字を自分で書いて先生に「俺、これを絶対もらうけん」と言った。校門に入る時、3番で来た。きつかった。先生の顔が見えた。「くにおがんばれ!」ポパイになって、そして「1」をもらった。