自称「綺羅星」の着物に、灰色濃淡の羅の角帯を締め、お茶のお稽古に行く。裏千家には、「洗い茶巾」という夏のお手前がある。お手前中に、お茶碗から建水へと水をこぼす時に醸し出す音だが、水の音でお客様に涼を感じさせるとは、憎い演出だ。お軸は、京都・大文字をモチーフにした消息文、お菓子は、深山(みやま)の雪。お茶杓の銘は、したたり。薄物の夏衣と相まって、盛夏を惜しむように夏座敷に涼風が通り抜けていった。