昨晩菊池の自宅に帰ったので、今朝は時間にゆとりを持ってお店に入るつもりが、自宅に帰れば帰ったで仕事もまたあり、裏庭から茶花を摘み、大分県境で汲んできた名水を積み、慌ただしく作務衣で自宅を出る。車から荷物などを降ろしているうちに、着付けのお客様や、開店前なのに一般のお客様の来店がある。髪もセットしてなく汗をかいた作務衣での接客だから、とても気が引ける。お客様は「全然きになりません。大丈夫です。イメージが変わっていてまた、いいですよね。」とおっしゃるが、冷や汗がどんどん出てくる。引け目を感じているので、ふすま越しに話をしたい気分。奥で着付けをなさっている常連さんから、「そうよね、武士が鎧を付けていないのと一緒だよね」との声。 着替えに戻れたのは、丁度お昼頃。復食6日目に相応しい玄米食を済ませ、麻の半襦袢に小千谷ちぢみ(煤竹色・子持縞)に羅の角帯(きなり色)を締め、漆黒の紗の羽織姿で「市田ひろみ講演会」に出かけた。タイトルは、「日本人に生まれて良かった」。