夕刻までは、備長炭入りの綿麻の着物(薄墨色)に羅の角帯(縹色の濃淡)で仕事をする。「創造くまもと発足会」の為、衣装替え。着物は長野県・小千谷ちぢみの正絹、蚊絣文様に地色は濃紺色だ。紺色に浮かび上がる白の蚊絣文様が余りにも美しいので、その着物の事を「綺羅星の蚊絣」と呼んでいる。紋紗の夏袴を履き、漆黒の黒の紗羽織を着た。帯は博多織の夏帯。素肌に長襦袢、元小千谷ちぢみの水浅葱色。半衿は浅葱色の正絹の素材。足元に目を移すと、畳表の雪駄。花緒は水浅葱色の麻素材、足袋は麻足袋。 盛夏の略礼装で、礼をつくし参加する。会場は、あふれんばかり。何と800名近く。参加者の7割は男性だ。その中で、着流し姿の男性が一人見受けられたが、袴姿は私だけ。会場内で、旗をもってあるいているような感じだ。いろんな方々と挨拶を交わすが、着物だから覚えてもらっているところが多々ある。失礼なことと思いつつも、スーツ姿の男性は、馴染みの顔以外、同じに見える。 二次会は、数年ぶりに和服の似合うママの所へ出向いた。店の店員さん全て浴衣姿。それも、凛とした格子文様、髪も黒髪で全員アップだ。聞くところによると、その店の先輩から、着付け・髪のアップの仕方も学ぶという。スタッフもより女らしく、所作も美しい。「日本女性らしい、美しい女性になりたいから…。」「着物を着て女らしく自分磨きをしたいから…。」が応募動機で、門をたたく方も後を絶たないらしい。店も繁盛している。本来は和服が似合い、気が利いて奥ゆかしい女性像を男性は求めているのだろう。熊本に、日本女性を育成し、着物文化を継承している本物の店がある。