和の國ファミリーの皆さま、こんにちは。923こと茨木國夫です。
朝夕と秋めいてまいりました。お変わりございませんでしょうか。
10月22日は、「天皇陛下即位礼正殿の儀」でした。荘厳な空気感の中、典雅な模様に感銘を受けました。伝統を守り育んでいくことの大切さを、改めて教えてもらったような気がしています。

着物は、非日常着となっていますが、
日本人が絶対残さなければならないものの一つだと思います。
ご一緒に着物文化を残して行きましょう!!


和の國では来月の「和の國だより」の発送の準備を進めています。
「着付けのチラシ」も3ヶ月に一度、見直しています。
「1日5時間でできる」を何度も言っているような気がしますが、、、「すごく分かりやすいの声」が、新たに入りました。。。

今回のチラシはいかがでしょう・・・? 

 熊本市中央区 着物専門店 わのくに




さて、今なお「着付け」に取り組んでいるゆり女将ですが、着物を着始めた32年前は着付けに1時間以上かかっていました。
それが、今では着物2分帯3分の5分で着物が着られるようになりました。
その歩みを振り返り、20数分のトーク動画を作成してみました。

下記をクリックして、お掃除をしている時間にでも、動画を流していただければありがたいです。





いつもありがとございます。
明日、火曜日は定休日ですが、カミさんは料理教室、
僕は、店に入って仕事しようと思っています。

また明後日・30日水曜日からどうぞよろしくお願いいたします。  拝



追伸:
この動画を2週間ほどかかって、ゆり女将が書き起こしをしました。
「動画も良いけれど、私は文字派」」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。
長文になりますが、お時間取れたらお付き合いいただければ有難いです。


1)ごあいさつ
こんにちは。和の國着付け教室の茨木ゆりと申します。
今日は、私の「着付けが5分でできるようになるまで」のお話です。
なぜ、このお話をするかと言うと、「着付けは大変、面倒という一般常識を、私の体験とともに、着付けはかんたんで楽しい!自分磨きにもなる」と感じていただきたいからです。

着付けに対する一般的なイメージは、「3ヶ月程通い続けて、なんとか着れるようになる」という感じでしょうか?私もその一人で、不安だらけでした。昔は着付けに1時間ほど要していましたが、今では(着物2分/帯3分の)5分で着物が着られるようになりました。
振り返ってみると、30年の月日が過ぎていました。

着付けは面倒で大変…と思っているあなた、
着付けが出来たらいいな~と思っているあなた、
いつか着物でお出かけしたい!と思っているあなた、、、
私が歩んた「着付けの道のり」にお付き合いください。



2)着付けとの出会い
福岡の短大を卒業し、地元・熊本の銀行に就職しました。
程なく主人と出会いました。私が21歳の時です。
結婚前提のお付き合いとなった頃、主人のススメで主人の母が開催していた着付け教室に入会することになりました。母は全国組織の「装道きもの学院」に所属する着付け講師で、講師歴30年のベテランでした。
仕事を終えて、夜7時から9時まで、近くの公共施設で月3回程のお稽古が始まりました。

着付け方法は腰紐で結ぶ着方、帯は後ろ結びでした。
具体的には、長襦袢を着る時は、腰紐と伊達締めを使います。
着物を着る時には、腰紐と、衿合わせ用のベルト、そして伊達締めを使います。
この着付け方法が幅広く普及していて、現在美容室さんの多くがこの着付け方をされています。

私はそれまで着物に全くご縁がありませんでした。講師である母の着方を見ながら、言われたことを真似てやっていきますが、簡単にはいきません。初めて聞く専門用語も次々と出てきて、はてなマークだらけです。着物はみようみまねで、なんとか着ることができます。
 
苦手なのは帯で、背中で作りあげます。帯の手先を後ろで折りあげて仮紐でおさえます。手の感覚を頼りに、背中でお太鼓部分を作っていきます。
完成したら注意点や課題点などを教えてもらうのですが、鏡に映して見ても、帯のどこの部分の事を言われているのか、なかなかわかりづらかったです。
母から着付けのエキスをしっかりと教えてもらっているので、なんとか理解して上手にやりたいと思うのですが、背中での手さばきなので、手が思うように動きません。。。

半年程通ったでしょうか。15回近くお稽古に通い、少しずつ上達しているように感じるものの、一人でちゃんと着られるのだろうか、着くずれはしないのだろうか…と不安な状態でした。と同時に、回数を重ねていけば着れるようになるだろう…という安易な思いもありました。。。
当時は、「着付けってややこしくて、大変!」というのが正直な感想で、短い時間で着られるようになるなんて考えられませんでした。



3)嫁いでからの着物姿
主人と出会った翌年、22才で結婚しました。
結婚してからの着物姿というと、展示会期間と、息子や娘のお宮参り、お茶会くらいで、月に1度着るかどうか…という感じだったと思います。
特に、展示会やお茶会の日は、1日中着続けることになります。

着崩れるのが怖くて、より丁寧に着付けをするため、1時間位の時間をとって着付けていました。
それでも衿が詰まってきたり、半衿が隠れてしまったりすることもありました。
腰紐を締めすぎて食事が入らないことがあったので、次の着付けの時には、腰紐をちょっと緩めに結んでおくと、ゆる過ぎて階段で裾を踏んでしまい、着直した事もありました。

補正もタオルを2~3本繋げて身体に巻いていましたが、ヒップの上は補正が足りず、反対に横腹に当てていた補正がお尻の下に落ちてきたこともあります。また、衿のところからタオルが出てきて、慌てて押し込んだこともありました。

帯は帯で、鏡を頼りに背中で作りますが、斜めになったりズレたりします。
後ろで直したくても、左右が逆で、ますます形がひどくなったりします。
出かける前に母がチェックしてくれるのですが、どこをどう直してもらっているのかもわからないまま、「バッチリ・バッチリ!」の声が、背中を押してくれました。



4)主人の「きもの宣言」
平成5年、私が26才の時に、主人が着物しか着ないという決意、「きもの宣言」が始まりました。主人と出かける時には、当然のように私も着物を着るようになりました。
気をつけていたことの一つが、主人を出来るだけ待たせないようにすることでした。
着付けを習い始めてから5年ほどなので、着物を着ること自体には慣れてきて、着姿をイメージできるようになっていました。

以前はよくズレていた補正も、付属として付いているパットを下着に縫い付けました。着物雑誌などを参考に、タオルを程よく重ね合わせて、腰にサッと当てれば良いようにしました。
着る機会が増えると、前回気になった所を覚えていて、次に着るときには、その部分を特に気にかけて着ることができます。

気持ちに余裕が出るのか、より早く、より簡単に、より着心地よく着ることを心掛けることができるようになって、着付け時間は30分程になっていました。



5)「前結び」に出会う
「きもの宣言」の翌年、主人が京都で、帯を前で結ぶ「前結び」の話を聞いてきました。
鹿児島に本部がある「前結び宗家きの和装学苑」でした。
ご縁をいただいたのが栃木県の先生だったので、早速短期講習のため、主人に連れられ、私も栃木県まで飛ぶことになりました。
帯を前で結んで回すという話を聞いて、「帯を回す時に着物は崩れないの? 帯も緩むんじゃないの?」と思っていました。しかし、実際見せていただいて、目から鱗でした。

長襦袢と着物を着る時には、腰紐ではなく、ゴムベルトを使っての着方でした。
そのうちの1本の「腰ベルト」に、特に感動しました。
長さを自分サイズに合わせて、2周巻いて、パッと止めるだけのベルトです。
腰紐の締め加減がいつも不安だった私には、その一本で悩み解消。
締め付け感も着崩れもなく、とても楽に着付けられます。
おはしょりの高さも簡単に調整できて、とても優れものなのです。

そして、メインの前結びです。
帯を身体の前で結んで、クルリと後ろに廻すための「前結び用の帯板」が必要で、伊達〆と帯板が兼用になったものでした。
帯板にマジックテープがついていて、着物の上にぴたりと止めることができる帯板です。
その上に帯を巻き、お太鼓部分を前で作っていきます。
後ろと違い、前で楽に作れますし、お太鼓の形が気になれば、簡単にお直しもできます。

帯板の表面がサテン生地でツルツルしているので、帯は簡単に回り、その上緩みもしません。
着物は帯板でしっかりと締められているので、帯を回しても、着物の着崩れも全くありません。受講前に思っていたことが、なにも心配いらないことがよくわかりました。
三泊四日の短期講習で、お教室を開ける資格を、二人共に取得しました。



6)着付け教室で、まさかの講師デビュー
行動の早い主人ですから、熊本に戻ると早速お教室の勧誘をはじめ、すぐに前結び教室がスタートしました。学苑初の男性着付け講師の誕生です。
お教室のスタートは、お洋服姿の上に帯板をつけて、帯結びのお稽古からでした。
受講生の皆様には、前結びのラクさ・楽しさで、喜んでお教室に通っていただきました。

毎週1回のお稽古で、1ヶ月程たった頃です。
いよいよ着物の着付けのお稽古に入る頃、主人から突然言われました。
「着付けは、男の俺では出来んけん。これからは、女性の貴方が先生たい。」
「え?わたしが?」

それまで、私が先生をするような話題は全く出たことがありませんでした。
確かに下着姿に着替えたり、補正の仕方などお伝えする必要があるので、男性である主人がよくお教室を始めたなあ…と思ったことはあったのですが、まさか…私が講師になるなんて。本当に突然の話でした。
人前に立つ事が苦手です。ましてや人前で話すことなどとてもとても苦手です。。。

かなり、かなり、抵抗しました。
ですが、何もご存知ではない生徒さんは、お稽古の時間になると、当然楽しみにいらっしゃいます。
「今日から着物の着付けに入るので、講師は家内に交代させていただきます」という主人の一言で、強制的に私へのバトンタッチとなりました。私が、27歳の時です。

緊張・緊張でスタートしました。自分で着れることと、伝えることは全く違います。
頭をフル回転させながら何とかお伝えし、皆様、長襦袢から帯結びまで仕上がりました。
私の不安な心をよそに、お着物姿が仕上がったことに、とても喜ばれます。

そのご様子に嬉しさは感じるのですが、お稽古日が近づくと食事が喉を通らなくなったり、お稽古が始まっても、途中で抜けて戻しに行ったりすることもありました。緊張感と責任感に、毎回押しつぶされそうになりながらも、伝え方などを研究し、少しづつ慣れていきました。


話は少し変わりますが、その当時の主人は、振袖新規営業をやっていました。展示会勧誘活動の一つとして、私も振袖を来て主人と一緒にお客様宅にお伺いしたことがありました。着物を着るとお客様の反応がとてもよかった思い出があります。帯は「ふくら雀」という変わり結びをしていました。前で作って、後ろに回して、仕上げをします。これが、後ろ結びだったらできなかったと思います。母は私の帯結びを見て「振袖の変わり結びが道具もいらず、一人でできるならよかね」と言ってもらったことは心に残っています。

そのうち、自宅での朝・昼・夜のお教室だけでなく、熊本市内へ出かけての着付け教室も始めました。マンションの一室をお借りして、約5年程開催していました。
そのような中、民放のテレビ番組で「カンタン前結びのご紹介」と放映いただいたことで、視聴者の方から反響があり、八代市や宇土市まで出張着付け教室に行くことも3年程続きました。まさに、出稽古です。

生徒さんと一緒に、何度も何度も脱ぎ着をしていますと、どんどん無駄な動作に気づいていきました。より簡単に、早く覚えていただきやすいように、お伝えする内容も、少しずつ進化していきました。

着付けを学び始めてから15年。前結びに出会い、いろんな経験を積ませてもらったおかげで、10
分程で着れるようになっていました。


7)着付け教室を通して工夫を重ねていく
平成16年の暮れ、熊本市内にきものサロン和の國がオープンしました。私が37歳の時です。
朝11時から夜8時までの営業で、定休日の火曜日が「着付け教室の日」となりました。
着付け教室は、1日4クラス開催していて、受講いただく生徒さんと一緒に、脱ぎ着をします。
1日に10回以上脱ぎ着をする日もありました。

また、各自、お持ちの着物一式をご持参いただきますので、色々なタイプの持ち物があります。例えば長襦袢ですが、衣紋抜きが付いていたりいなかったり、背中に紐が付いているものだったり、衿先に紐が付いていたり…と、色々です。
それぞれの持ち物を拝見し、出来るだけお持ちになられたもので対応できるように、着付け方法も考えました。

着付け道具の小物に関しても、メーカーさんの違いで、様々あります。
「前結び宗家きの和装学苑」オリジナルの商品にこだわらず、どこの着物屋さんでもお取り扱いしている小物をオススメするようにしました。万が一、引っ越しされても、全国各地でお求めできるからです。

和の國オープン2年目に、娘がお店の近くの私立中学校に入学しました。
基本はバス通学でしたが、時には朝早くから、車で一緒に出かけることもありました。
朝食を済ませ、身支度をして、私も着物姿での出発となります。

主人や娘を待たせないように、着物まで着て、車に乗り込むこともありました。
帯は、車の助手席で結びます。手提げ袋の中に、帯や小物を用意して、足元に置きます。
リクライニングシートをちょっと深めに倒し、袋の中から帯の手先を持ち上げて身体に巻きつけます。胴まわりに帯を巻くことさえ出来れば、その続きのお太鼓作りは意外に簡単です。

一度、シートベルトごと巻いたことがあり、主人と大笑いしたことがあります。
前結びだからこそ、車の助手席などでも帯結びができるのは大助かりで、時間短縮にもなりました。



9)平成22年夏に、主人が代表を務める「NPO法人きもの普及協会」が発足しました。
「会員には着付けを無料で教えよう」と、会員同士で教え合う着付け教室をはじめることになり、協会で進める着付けの方法を一本化することにしました。
ご存知のように、着付けには様々な流派があります。その垣根を取り払い、出来るだけ簡単な着付け方を話し合った結果、日頃私がお伝えしていた着付け方法が推奨されました。

重ねて、他流派の着付け本やDVDなどを見て研究し、より良い動きなどをピックアップして、ひとまとめにしました。それを更に、誰もがわかりやすく、誰もが伝えやすくするために、細部まで言語化するよう心がけました。着物愛好家の皆様のご協力は、大きな後押しとなりました。



10)着付け32年目で、5分着付けへ。
主人は常々「着物を着れるようになるまで3ヶ月以上もかかるのはおかしい!着付け教室に通う期間が長すぎる」と、言っていました。私自身も10分以内で着れるようになり、皆様の着付け習得の時間短縮にも取り組んでいました。
綺麗に着る事は当然大事にしながら、出来るだけお持ちの着付け道具を生かし、自然体、かつ着心地良く着れる着方をお伝えすることが、一番望まれていることだと感じるようになりました。

分かりやすく、覚えやすいメソッドを探求し続け、1ヶ月4回で着物が着れるようになる「着付け一ヶ月マスターコース」が誕生しました。メイン講師は着付け歴7年の緒方麻由子さんにお願いし、20名以上の卒業生が誕生していきました。
そのような中、海外出張の多いお客様より「中東『アゼルバイジャン』で着物を着ることになったので、この機会にぜひ着付けを覚えたいです。でもお稽古には1・2回位しか来れません」というお声を頂きました。

そこで、着付けプログラムを再度見直し、1ヶ月4回のプログラムを、2回に凝縮し学んで頂きました。後日アゼルバイジャンから、お着物姿のお写真がLINEで届いた時には、とても嬉しく思いました。



着付けを学び始めてから32年目。おかげさまで、「これが今現在のベスト」と思える着付け方法になり、「袋帯編」「名古屋帯編」の着付けDVDも好評です。
なるべくシンプルに着れる方が良いな。早く着られるようになりたいな。楽な着心地で着ていたいな。を追求し続けた結果だと思います。当初、1時間以上見ていた着付け時間も、今では5分(着物2分、帯3分)にまで短縮しました。着付けを学び始めた頃の私には、今の姿は全く想像できなかったことです。

時々、「背中心がズレている」と、主人から笑いながら指摘を受けたりすることがあります。1万回以上も着物に袖を通していても、しっくりいかず、着直したりすることもあります。着物によって素材の違いもあるし、その日の体調にもよります。上手く出来ない自分もOK! それが着付けだと思っています。。 
おはしょりなどどこか気になる着付けもありますが、月に1・2度、着物がピシッと着れた時の喜びは”ひとしお”。それだけ、着付けはおもしろく奥深い世界なのです。

着物を着ると、姿勢も伸び、気分が上がります。それと同時に、包まれている…というか守られているような安心感もあります。



「一日で着られる和の國着付け」。
着付け教室は沢山ありますが、和の國着付けの最大の魅力は、一日5時間のお稽古で着られるようになるということです。私たちの着付けは、DVDで予習する「着付け脳トレ」からスタートします。レッスン当日は、長襦袢・着物・帯を合わせて、あなただけの5つのポイントをお伝えします。そうすれば、必ず一人で着られるようになります。

着付けの上達は、着る回数に比例します。
定着させるためには、ご自宅などでの復習が大事になってきますが、着る機会を作れば心配いりません。あなたがお着物を着れた時の嬉しさは、人生を彩る1ページとなり、これからの未来が輝いてくることでしょう。あなたが変わり、もう一人の新しいあなた自身を発見できることと思います。

着付けは、日本女性のたしなみ。「一日5時間コース」もしくは、「2時間半の2日コース」で、着付けにチャレンジしてみませんか。。。
ご一緒に着付けを学んで、着物のある上質な暮らしを始めてみませんか。。。   
 


今回は、私の着付け歴30年のお話をさせていただきました。
和の國着付けは、母の装道きもの学院、前結び宗家きの和装学苑、NPO法人きもの普及協会の会員さんなど着物を愛する方々のお知恵がたくさん詰まった着付け方法です。
だから、1日で着られるようになる着付け方なのです。

あなたがこの動画をご覧いただいて、少しでも着付けに興味を持って頂いたら「良いねボタン」を押してください。これから「着物のTPO」や「着付けのポイント」などお伝えしていきたいと思いますので、ぜひ「チャンネル登録」もよろしくお願いいたします。

あなたにとって、このチャンネルがお役に立つものでありますように。。。
ぜひ、次回の動画も、楽しみにしていてください。
自分磨きに最適な「着付けのお話」、茨木ゆりでした。





長文にお付き合いくださり、誠にありがとうございます。
どうかこれからもよろしくお願いいたします。  拝