今日は、利休茶の小千谷ちぢみにきなりの羅の角帯を合わせた。羽織は、定番となっている袖なしの紗の黒羽織だ。しっかり着こんでおり、セミの羽根のように薄くなっている。色は漆黒、カラスの濡れ場色。一枚重ねたからといって、暑さは全く関係ない。かえって、その透け感から覗く、羅の角帯の片結びが、着姿を一層輝かせてくれる。透ける重ね着の文化こそ、日本の風土にあった究極のお洒落かもしれないが、着流しより一枚羽織ることによって、自分自身の着姿に安心感が出てくるから不思議なものだ。小学校の時いつものようにランドセルを背負って学校にいくような感じ、いや幼稚園の時父兄同伴で登校するような安心感がそこにはあった。