片滝縞文様の綿麻の着物に金茶の羅の角帯で店内業務あたる。着物の地色は、青緑色が基調。これ以上濃くならない紺色のことを留紺(とまりこん)というが、その色目が全体をキリリと引き締めてくれる。 夜は、ワイズメンズクラブの例会に出かけた。アトラクションでは、「日本文化に触れる」ということをテーマにし「お腹から声を出し、謡曲『鶴亀』を謡おう」ということで、その進行役を務めさせていただく。約40名程の参加者の中で、まずは謡ってみたが、やぱり緊張する。お腹の中から声を出すことを心がけていると、丹田に意識が来る。丁度そこは帯が当たる位置でもある。息を吐くときにお腹が角帯に当たったり、息を吸うときにお腹をひっこめたりしながら謡うが、その感覚が妙に心地良くなってくるから不思議なものだ。解説を交えつつ小謡の「庭の砂金は金銀の…」と数回謡っていくうちに、声も重なり、息も合い…会も一つになり、夜も更けていった。