店に入る前、半身欲をした。薄めの入浴剤を使っていたのだが、嗅覚も鋭く自然派となったので、「緑茶」を煎じてお湯に入れた。ふと頭をよぎったのは、「緑茶染」だ。今まで、子どもと玉ねぎで染めたり、奄美での大島泥染め、島根や徳島での藍染の経験はあるが、お茶でそめるとなると初めてだ。入浴気分から、小さめのたらいに煮出したお茶を入れて、そこに足袋を入れた。 千谷ちぢみ(二藍色・千縞)に羅の角帯(きなり地)で店に入り、その後、コンサートに出かけ、NPO法人きもの普及協会の打ち合わせ後、部屋に戻ると、たまご色と黄土色とが混ざった、ムラ染めの柄足袋が出来上がっていた。